Tintinhull Garden

ティンティンハル・ガーデン

ナショナル・トラスト所有

1999年7月2日訪問

所在地  イングランド南西部 サマセット
お勧め宿泊地  ヨーヴィル
(ロンドン、ウォータールー鉄道駅からプリマス方面行き列車で2時間程度、ヨーヴィル・ジャンクション下車)
公共交通機関 ヨーヴィルよりの路線バス
公開日(2001年度) 4月1日〜9月30日、月、火以外の12時から6時

 

ティンティンハル・ガーデン

 次の目的地はティンティンハル・ガーデン。が、運転手、道を良く知らなかったようで、途 中の家の人に道を尋ねている。その人は親切に教えてくれたのだが、運転手の態度、ちょっと失礼な感じがする。それともこれが普通で、考えすぎなのだろうか。

 料金は6£。高い、ぼっているよ、と降りた後でR嬢がぼやく。「距離を考えると高いと思う」「ふむ。電話かけた時に最初にいくらくらいかかるか聞けば良かったのかな」。

 広大なモンタキュート・ハウスとは見事に対照的に、ティンティンハルはこぢんまりとした庭だ。館の前面にあるEagle Court(鷲の彫刻が据えてあるから)は名前こそ仰々しいが、丸く刈り込まれたトピアリーがかわいい。館に背を向ければ、奥の噴水までヘッジ越しに見渡せる。反対に館の方を見通すのもまた絶好の構図なので、皆がカメラを持って狙っているが、人が次から次へとやってきて、なかなかシャッターチャンスがない。考えることはみんな一緒、か。

鮮やかに咲き誇るポピー。 丸っこい刈り込みがかわいいおなじみの光景。館は非公開、残念。 風に揺れていたなんとも涼しげな花。本で名前を確かめたのに書き留めておかなかったので忘れてしまった。また調べなくちゃ。

 

 噴水の周囲はホワイト・ガーデンで薔薇のアイスバーグ等の白花がきれいだ。その奥のキッチン・ガーデンでは赤みを帯びた紫のネペタが花盛り。小道の両側から溢れるように咲いていて、なんともロマンティック。

 プール・ガーデンは中央の長いプールに浮かんだ水蓮の花と、その左右に伸びる鮮やかな色のボーダー花壇が素敵だ。女性ガーデナーがせっせと手入れをしていたが、沢山ある薔薇はもう終わり近かった。オフィキナリス、フェリシア、コーネリア、ロサ・ムンディ、特に美しいと思ったのはセレスティアル、バフ・ビューティの隣には巨大なペネロープ。純白のウィローハーブ。これは本来雑草で非常に繁殖力が強く、園芸家には嫌われているのだが、白花の美しさは格別だ。ところで見ていて気づいたのだが、手入れの仕方が非常に大雑把に見える。花殻摘みにしても、まだどっさり残っているのに、これで終わりなの?という感じがする。何か意味があるのだろうか。細かいことは気にしないだけなのか。それとも単に怠け者ガーデナーだったのか。

 全盛期の庭に加えて、発展途上の庭がある。植え付けたばかりのアイリスの畑は塊茎がごろごろ。不思議な世界。

 広大なモンタキュート・ハウスに比べて、遥かにこぢんまりとした庭だが、等身大のサイズでなかなか好ましかった。最近のイギリス庭園ファンにどちらかひとつを薦めるとしたら、私はこちらが良いと思う。こぎれいで可愛らしいし、実用的だ。モンタキュート・ハウスはスケールが大きすぎて、個人の庭作りにはあまり役に立たない。勿論、イギリス史に関心がある人ならば充分楽しめるだろう。

ヨーヴィルからトーントンへ

 16:54頃。Lamb Innの前で帰りのバスを待つ。パブにしては少し新しい店で、非常に派手なサフィニアとインパティエンスのフラワーボックスがこれでもかといわんばかりに飾ってあり、R嬢がすっかり閉口していた。写真を撮ってきたつもりだが、忘れていたようだ。残念。

 バスは凄い勢いで飛ばし、17:05にはヨーヴィルに着いたが、バス・ステーションまで行かないらしく、中心街で全員降りてしまった。で、仕方なくこちらも降りたら、空のバスは一目散にバス・ステーションの方に走っていく。

「もしかしてステーションまで行ったんじゃない?」「確かめてから降りればよかった」とは言っても、既に遅い。大急ぎでバス・ステーションに向かう。

 荷物を置かせて貰っていたオフィスに行くと、有り難いことに開いていた。(開いてなかったら困るが。)見るまではちょっと心配であった。何やら打ち合わせの最中で、人が集まっていたが、お邪魔して荷物を取らせて貰う。皆さん、優しくて感じが良かった。特にボス、ちょっと渋くてカッコ良かった。どうでも良いことだけど。

 バス乗場は目と鼻の先だが、見ると既にバスが来ていて、乗客が乗り込んでいる最中だった。近くの売店、半分シャッターが閉まっているが、まだ営業しているようだ。R嬢に荷物を任せて、そこにダッシュ、水のボトルを2本買って戻る。冷たい方が良いよね、と言って冷蔵庫から冷えたのを出してくれたのが有り難い。イギリスの水はぬるいもの、と諦めていただけにこれは驚きだ。この日、午後は随分暑かったし。

 17:15発。小さなローカルバスで、後ろに乗った高校生のガキ共がうるさい。「不良かな」「普通のガキみたいだけど、やかましいね。さっさと降りろ」。ところがなかなか降りないんだな、こいつら。(考えたら彼らの棲息圏に入り込んできて文句を言う旅行者の方が横着か?)

 18:34、トーントンに着いた。予約の宿までは結構あり、7時頃着いた。夫妻は孫の誕生祝いで外出するところだったので、丁度良いタイミングだった。昨日の屋根裏のぼろ部屋とは一転して、エン・スイートの立派な部屋で、早く宿に入って正解だと思った。まあ、高いだけのことはある。(注意、この「高い」と言うのは私たちの相場である。)

 お茶をわかし、外食に出かける程空腹でもなかったので、持参のチョコチップクッキーをつまんで、夕食を済ませる。R嬢は翌日ロンドンに戻るので、お土産として買った苗の状態を気にしている。外気に当てた方が良いので、一晩窓の外に置くことにした。翌日、忘れないようにしなければ。

 二階の窓から裏庭が見えるのだが、もう日が暮れるというのに洗濯物が干したままである。日本では考えられないことだ。何故か婦人もののパンツが9枚並んで干してあるのがなかなかの壮観であったが、年配の夫婦ふたりの洗濯物にしては溜め込みすぎではない? (余計なお世話。)

 

 

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