イギリスで見た
へんなもの

Act.2

2000年8月1日

 

数年前、友人とその父上と一緒にはじめて海外に行ったときのこと。早朝、まだ寒い4月の屋外を散策している時、教会の戸口を何気なく見上げると…。非常に印象的だったので、その日の観光が終わった日暮れ時、友人と父上を、是非みせたいものがあるといって引っ張ってきた。友人は「またどうせ下らないものじゃないだろーね」とブツブツ言っていたが、「これです」と私が言ったときは「本当にコンチクショウ」と思ったそうです。

どんな由来があるにせよ、このようなものを戸口にかけておくイギリス人ってわからんなあ。ロンドンのハマースミスにて。

欧米人の漫画キャラクターって往々にして日本人の目には醜悪に見えるのですが、この案山子はまた例外的に随分キュートだと思います。これなのなら庭にあっても悪くないないな。でも、雨ざらし日ざらしにするのはもったいないよね。ハンプトンコートのフラワーショー会場にて。

何の予備知識も持たずに立ち寄った地方の町、駅に降り立った途端に目に入ったのがこれ。そう言えば地図に「ねじれた尖塔」と出ていたが…。このような形になった訳は、その1、疫病が流行っていて腕の良い職人がいなかった為、その2、屋根に葺いた鉛の重みのせい、その3、悪魔がひねった、だそうです。3が最も説得力のあるなあ。北部のダービシャー、チェスターフィールドにて。オースティンの「自負と偏見」のミスター・ダーシーの領地がある辺りです。

なんかキュートな古代のおさかなの図。アッシリアあたりのものか? 大英博物館にて。

ユーロスターでウォータールー駅に着いて、ふと天井を見上げると、この巨大なおさかながゆらゆらと宙を泳いでおりました。空港とや駅ってけっこうへんなものが多い。フランクフルト空港にはマルタ十字をつけた複葉機がぶら下がっていたのでした。

看板代わりに吊り下げられたでっかいひつじの像。こんなのが落っこちてきて怪我したら笑いものになってしまう〜。パブの看板にはけったいなものが多いのは有名ですが、これはかなり珍妙な部類に入るのでは。ところで後日、別の場所で同様の吊り下げられたひつじの看板を見ました。良くある商標なのか? ヨークシャー、ヨークにて。
道路標識です。コッツウォルズのど田舎で道に迷い、迫りくる日没との戦いの中で自転車を飛ばしていた時のこと。日が暮れたら辺りは真っ暗闇で、自転車には電灯がついていなかったからです。必死で方向を見定めていた時にこれでは、力も抜けますがな。生まれて初めて乗った7段変則の自転車をぶっ飛ばしてなんとか日暮れ直前に村に戻りました。(そして翌年、程遠からぬ場所で、同じ貸自転車屋の車でこけて骨折したのだった。)コッツウォルズ地方の野道にて。

吸血鬼映画にでも出てきそうな黒ずんだ教会の傍らを回った途端に目に入ったのは、壁に無造作に立てかけられた使用済み棺おけの群れ。何なんだ、これはっ。良く見ると大から小へとずらりと規則正しく並んでいる。底に開いている穴を、従妹は「蛆虫さんの為に開けた穴だ」と主張していますが、真偽の程は謎。ちなみに、彼女は別の場所で「中に寝てみて良いよ」と勧められたので寝心地を試してみたそうです。ベイクエェルの教会(ダービシャー)にて。

へんなものを名乗るにはおこがましいかも知れませんが、これ何かわかります? 私はこれこそかの有名な「ビデ」なるものだと信じて疑わぬのですが、実は確証はありません。だって今まで「これがビデだ!」という図解も、証拠写真も見たことがないんですもの。フランスの宿に泊まるとあるそうですけれどね。「母がスイカを冷やしていた」なんて体験談が本に出てました。「中身を食べるのだから汚くない」って。チッピング・カムデンのB&Bにて、コッツウォルズ地方。

海外では日本以上に自転車泥への警戒が厳重ですが、これはちょっと奇抜。何で宙吊りにする必要があるんでしょうね。ロンドンにて。確か学校の入り口だったと思う、ここ。

ローマの神々に化けたナポ公の像。股間に葉っぱがついているとはいえ、見事にすっぽんぽんでこーいうものを作るナポ公の心理を疑います。「葉っぱが小さい」と話している男性がいた。ウェリントン博物館、ロンドンにて。

ハンプトンコート・フラワーショーのカタログで見つけた小さなフラワーショーに行ってみたら、なんだか気分は田舎の農作物コンテスト。手作りの野菜や果物、パイやピクルス、巨大なダリア、果てはクラフト類までところ狭しと並んでいました。このタマネギなんて、みーんな台座に鎮座していらっしゃいます。何か凄いぞ。ギルドホール・フラワーショー、ロンドン。

上は巨大サイズの昆虫の模型、特大のアゲハチョウ?の幼虫。右側には蛹。虫好きなら泣いて喜ぶ筈。右は人間サイズの巨大さそり、ゆらゆら動いて素晴らしい代物だ。どうせなら、客が前に立つと、全速力で走ってくるような仕掛けにして欲しかった。自然史博物館、ロンドンにて。

……だから、私はイギリス人が美的感覚に優れているという説は絶対に信じませんって。リージェント・ストリート、ロンドンにて。

古代の仮面? ギリシアあたりらしいが…。何に使ったんだ? 大英博物館。

取り壊された教会の壁と思しき場所に残っていた珍妙なガーゴイル。後日、従妹も全く同じ場所で写真を撮っていたことが判明。私たちって…。

ヨーク市内にて。

何気なく見上げた建物についていたヘンなもの。しっぽがあるのでおさかな…らしいのだけど? 南部の古都ウィンチェスターにて。

ビールが元で死んだ若い兵士の墓。享年26歳。200年以上も前のものなのに、有志の基金により立て直された。若者への戒めとして残されているらしい。「真の兵士は決して忘れられることはない。彼の死がマスケットによるものであれ、ポット(短距離射撃、あるいはビールの容器)によるものであれ」。そこまで読めるのは、絵葉書になって売られていたからです。ウィンチェスター大聖堂の墓地にて。

 

  

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