を見学してきました

2005年9月11日 訪問

とてもアサガオには見えない変化アサガオの花。変化の名称は…私にはわかりませーん。

 むちゃくちゃレポートby 青

全ての写真は待雪草さん撮影です

九大研究室の変化アサガオを見せて頂ける」との話を聞いて、待雪草さんとMaryさんにくっついて行ってきました。はるばる福岡市東区まで。(我が家は西区、遠い。)以前、県立図書館を利用していたこともあり、ひとつ手前の箱崎宮前まではちょくちょく行っていたのですが、それも大昔のこと。その先の箱崎九代前となるとここで下車するのは多分初めてです。朝一番で圃場を見学していたMaryさんがわざわざ駅まで迎えに来て下さって、いよいよ現場へ。

 アサガオ研究家だけあって皆さん朝が早くてお元気です。時刻は9時半を過ぎた頃で、まだ日差しはそれ程厳しくなく、色とりどり、形もさまざまの沢山の花が見事に開いておりました。しかし、圃場の広さにはびっくり仰天。見渡す限り続く人の背より高い支柱の列。それが畝を作って整然と並んでいるのです。支柱には番号が振られ、花の身元を示しています。熱帯原産のアサガオは涼風が吹くとがくっと元気がなくなるとの思い込みがありましたが、これらのアサガオは今も元気一杯に花をつけております。そう言えば、最近、西洋アサガオや栄養系の熱帯アサガオばかりで伝統的なアサガオを殆ど見かけなくなりました。私が子供の頃には、いたるところでこうしたアサガオを目にしていたものです。今更のように時代の流れを思うと同時に、ごく当たり前に思っていたアサガオがいかに美しいものであるか、改めて感じました。

 これらのアサガオは6月にポット播きした苗を7月に植えつけるとのこと。その時点で既につるが長く伸びているそうです。さすが熱帯植物だけあって生長が早いです。直播をしない理由は、こぼれ種から発芽してくるものと区別をつける為とのことでまことにごもっともです。この広い畑には潅水用のパイプが巡らしてあり、スイッチを入れれば自動的に潅水が始まるので油断しているとアサガオと共にシャワーを浴びることとなります。

整然と並んだアサガオ列。手前の支柱が潅水パイプです。
散水は株の足元に行われます。(頭からじゃないのよ)

 さて、今回の訪問の目的は変化アサガオを見せて頂くことです。実を言うと今まで目にしてきた、地植えのアサガオ列はその多くが変化アサガオの親木(正木と呼ぶ)であり、一見「普通の」アサガオに見えますが、実は「変化」の形質を隠し持ったヘテロの株と言う訳です。変化が激しいアサガオは、おしべめしべが花弁化して不稔性なので、それらのアサガオはへテロ同士の正木から生まれてくるのです。変化は劣勢のホモなので交配によって得られた種から期待通りの変化が得られる率ときたら…、私のカラスの脳みそでは理解不能なので、九大のアサガオホームページをご覧下さい。

  

正木の一例です。稔性があり、出物の遺伝を隠し持つヘテロの株です。
広義での変化アサガオです。

出物(の一例)です(上下とも)。劣勢遺伝子がホモとなり不稔性。
狭義の変化アサガオです。

  

 ここで目にした変化アサガオは、「これが本当にアサガオ?」と言いたくなるような奇妙な姿をしたものばかりでした。劣性遺伝と表現すると、否定的な色合いがありますが、生物の存在意義が種の温存という点にあるのだとしたら、これらのアサガオは果たして何の為に存在するのか? 何と言っても不稔性と言う決定的な欠点を持っています。そうした、自分では存在し続けられない種の中に美を見出し、人工的に維持交配し、長年にわたってひとつの文化として伝えてきた我が国の先人たちのたゆまぬ努力、情熱にはただただ頭が下がる思いがします。一株の望む変化を得る為に、膨大な数の蒔種をし、その殆どを処分してしまい、残ったほんの一握りの株にだけ、期待した花が咲くのです。そしてその花は一代限り。同じ形質は一見普通のアサガオに見える兄弟株の子孫たちに受け継がれます。変化アサガオって、一代交配種の走りと言って良いのではないでしょうか。

 圃場の傍らには桑畑があり、これは九大が育てている貴重な蚕コレクションのご飯となる由。アサガオ列の彼方には沢山の容器に植えられた熱帯性スイレンが色とりどりの花を咲かせ、最奥の部分にはオオオニバス用のプールがあり、怪しい巨大葉っぱがぷかりぷかりと浮いていました。この春、福岡市植物園で温室内に大事そうに植えられているオオオニバスを見ましたが、この露天のオオオニバスの方がずっと元気一杯に育っておりました。しかし、一見頑丈そうに見えるこの巨大な葉っぱの寿命はごく短いそうです。しかも、一年草だとは全く知りませんでした。エンドレスで育ちそうな顔しているんだもの(熱帯ではエンドレスなのでしょう)。午後に再訪した時は、花が開きかけたところでしたが、少し赤みを帯びた妖艶な花でした。

 最後にちょっとした謎について。何もない地面の一角に、ヒガンバナがにょきにょきと生えてきている一角がありました。誰が植えたという訳でもなく、昔から生えてきているとのことです。不思議な眺めですが、これはかつて田んぼの畦道であった名残なのかも知れません。

  夕方から、他の方々も加えてスライドの上映があるとのことでしたが、暑さに負けて私は中途で失礼してしまいましたので、ご報告出来るのはここまでです。最後になりましたが、まるきり素人の私をお誘い下さった待雪草さん、Maryさん、そして九大研究室のにた先生、どうも有難うございました

アイランドシティ花どんたくに行ってきました へ

(2005年9月14日 作成)

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